• 2025年7月19日公開

    ペドロ・コスタ
     はじまりの刻 1989-1997

    『ヴァンダの部屋』から25年、『コロッサル・ユース』から19年
       世界を驚かせ続けるポルトガルの鬼才、ペドロ・コスタ。
    公式HP
    https://cinematrix.jp/early_pedro/
    上映時間

    7月19日(土)~7月25日(金)
    7/19(土)
     17:10 血
     19:10 骨
    7/20(日)
     17:10 溶岩の家
     19:15 血
    7/21(月)
     17:10 ヴァンダの部屋
    7/23(水)
     17:10 骨
     19:10 溶岩の家
    7/24(木)
     17:10 溶岩の家
     19:15 血
    7/25(金)
     17:10 骨
     19:00 コロッサル・ユース

    7月26日(土)~8月1日(金)
    7/26(土)
     15:20 骨
    7/27(日)
     15:20 溶岩の家
    7/28(月)
     15:20 血
    7/30(水)
     15:20 骨
    7/31(木)
     15:20 溶岩の家
    8/1(金)
     15:20 血

    ※7/22(火)・29(火)は定休日です。


    当日券(1作品)
    一般 1800円 大学生 1400円 中高生以下 1000円 シニア(60歳以上) 1300円 障がい者1100円 会員 1400円 学生・シニア会員 1100円

その伝説前夜とも言える、漆黒のモノクロが鮮烈な長編デビュー作『血』、“カーボ・ヴェルデ”というペドロ・コスタの後の作品群に繋がる場所が初めて登場した重要作『溶岩の家』、スラム街フォンタイーニャスに住む人々を起用し、圧倒的なリアリズムで底辺の生活の厳しさを描く『骨』の初期3作を監督自ら監修した4Kレストア版で初めて劇場公開する。
また、破壊されつつあるフォンタイーニャスを舞台にそこに生きる人々の営みを強烈な映画手法で描いた、『ヴァンダの部屋』と『コロッサル・ユース』も特別上映し、その類まれな軌跡を見つめる――。

血 4Kレストア版
不安や恐れに苛まれる恋人たち、 幻想的な森、黒く光る沼、得体の知れない男たち…。
自らが受けた映画史と自国の記憶を色濃く反映し、「ポルトガル映画の最も美しい一本」との評価を得たペドロ・コスタ初の長編作品。
 青年ヴィンセントは病に苦しむ父親を安楽死させ、墓地に埋める。父親の消息に疑問を持った伯父は青年の許にやってきて弟を連れ去ってしまった。一方、父親の負債の返済を求めて二人組が現れる。弟を取り返すべく動く青年を二人組が追っていく・・・。ペドロ・コスタ長編第1作となる本作はフィルムノワール的風貌を見せつつ、瑞々しく輝く画面が観る者を魅了する。マノエル・ド・オリヴェイラ作品常連のルイス・ミゲル・シントラが重要な役で華を添えている。 (99分)

溶岩の家 4Kレストア版
アフリカ、カーボ・ヴェルデの言葉、習慣、気候、風土
その現実的な生活と歴史を映画に取り込みながら、荒々しい色彩と感情に彩られた記念すべき長編第2作。
 看護師のマリアーナは、リスボンの工事現場で意識不明となった男レオンに付き添って彼の故郷カーボ・ヴェルデに向かうが、病人とともに荒野に取り残される。島民に病院まで運んでもらうが島民の誰一人として病人のことは語ろうとしなかった・・・。
本作の撮影後に、託された手紙をフォンタイーニャス地区に届けたことを契機に、“カーボ・ヴェルデから届いた手紙” というペドロ・コスタの重要なモチーフが生まれるきっかけとなった重要作。伝説的女優、エディット・スコブが特別出演している。(110分)

骨 4Kレストア版
狭い路地、壁に背をもたせ何かを待つ男と女、行き場のない空気。
リスボンのスラム街フォンタイーニャスで絶望を抱えた人々の息づかいが圧倒的なリアリズムで迫る。
 赤ん坊を産んだティナはリスボン郊外にあるスラム街に戻ってくるが、夫は赤ん坊を連れて家を出て行ってしまう。彼は物乞いをし、看護婦のエドゥアルダと知り合い、彼女の家に居候するようになる。ティナの隣人クロチルドは家政婦をしているが、ある日エドゥアルダの家でティナの夫に出会う。スラム街フォンタイーニャスに住む人々を起用し、圧倒的なリアリズムで底辺の生活の厳しさを描き、高く評価された。『ヴァンダの部屋』のヴァンダも家政婦役で出演。 (98分)

ヴァンダの部屋 2Kレストア版
 数十人の規模の映画制作に疑問を持ったコスタは小型のDVキャメラを手にフォンタイーニャスに戻り、撮影を敢行。『骨』に出演したヴァンダ・ドゥアルテとその家族を中心に、再開発が進み、パワーショベルによる破壊が進む街に暮らす人々を見つめる。小津、溝口、フォードを想起させるスタンダードサイズの画面と、街に響く破壊音の対比が強烈な印象を残し、新たなドキュメンタリー表現として多くの映画作家に影響を与えた。(170分)

コロッサル・ユース 2Kレストア版
 『ヴァンダの部屋』のスラム街は取り壊されて、ヴァンダは新しい集合住宅に移り住んで夫と子どもと暮す。カーボ・ヴェルデから移り住み34年間、フォンタイーニャス地区に住んできたヴェントゥーラ。妻に去られた後、まだ残るスラム街と新築住宅を行き来し"子どもたち"を訪ねる。過去と現在を縦横無尽に交錯させながら、彷徨える魂を描き出す。ヴェントゥーラが繰り返し口ずさむ手紙が感動を呼ぶ。 (150分)(公式サイトより)

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